【マレー料理図鑑No.1】ナシルマッ徹底紹介!

マレーシアで愛される美味しいマレー料理を1つずつ紹介していく「マレー料理グルメ図鑑」!今日ご紹介するのは、マレーシア料理の中で最も人気があると言っても過言ではないナシルマです!

ナシルマってどんな料理?

ナシルマは、ココナッツミルクで炊いたお米に、小魚やゆで卵、キュウリ、サンバルソースを添えたマレーシアの国民食。ナシ(nasi)はマレー語で「ご飯」、ルマ(lemak)は「脂」を意味し、ナシルマは直訳すると「脂ご飯」という意味になります。お米はマレーシアではおなじみのパンダンという葉っぱで香りづけされており、少し独特な香りがすることも特徴です。

 

マレーシアの中でも特にマレー人を中心に食べられていますが、タイやシンガポール、ブルネイでも食べられているなど、その人気はとどまることを知りません。

 

ナシルマの歴史を紐解いてみると、1909年にイギリスの東洋学者であるリチャード・ウィンステッドが書いた本『The Circumstances of Malay Life』の中にナシルマについての記述があります。つまりナシルマは、少なくとも110年以上の歴史がある料理ということになります!

 

ナシルマは元々、水田農家やゴム農園で働く人々が食べる料理で、たくさん働いた後に食べるカロリーメイト的な存在でした。そのためココナッツの油分がたっぷりと含まれたお米はとっても高カロリー!シンプルな見た目に反してダイエット向きではないのが残念なところです。しかし、マレーシアの人たちはこのナシルマを朝からぺろりと食べてしまうので、日本人としてはびっくりしてしまいます。

 

どうやらナシルマの扱いにはマレーシアでも度々議論が巻き起こっているようで、2007年の健康会議でナシルマがファストフードの一つとして取り上げられたり、2011年には政府からナシルマの消費回数を制限するように提案があったりと、子供や大人の肥満問題に悩むマレーシア政府からすると少し悩みの種となっていたそう。

 

ですが、2016年、なんとナシルマはタイムズ誌が選ぶ「世界で最も健康的な10の国際的な朝食料理」の1つに選出されました!脂質は確かに多いものの、朝に必要な栄養素が多く含まれている、という理由だそう。名誉挽回できてよかったね、ナシルマ。

 

そして、大体どの店で頼んでも必ずついてくるのがサンバルソースと小魚、キュウリですが、お店によっておかずの種類は様々で、よりボリューミーなナシルマもよく見かけます。マレーシアではナシルマの食べ比べも是非楽しんでほしいんですが、次にナシルマの定番おかずたちをいくつかご紹介します!

ナシルマのおかずたち

本当にいろいろなおかずが添えられているナシルマですが、定番オブ定番、だいたいどこでもついているおかずは次の3つ

 

①サンバルソース
サンバルソースはナシルマにとって欠かせない大切なソース!マレーシア風の「唐辛子みそ」で、玉ねぎや砂糖などをたくさんの油で炒めて作る、甘辛い味わいとなっています。コクや塩辛さ、風味を与えるマレーシア料理の大事な調味料です。中には「ナシルマにとって一番重要な要素はサンバルソースだ」という人もいるくらいで、辛い物好きなマレーシアの人々にとっては本当に大切な食べ物です。唐辛子が含まれているため、汗をかいて新陳代謝を高める役割もあります。

 

②キュウリ
日本のものよりも大きくて少し太いキュウリを、歯ごたえが残る程度に薄切りにしたもの。箸休めとしては最適で、必ず添えられているといっても過言ではないですが、持ち帰る場合傷みやすい&汁が出るという点から外される場合も。

 

③小魚
イカンビリス(ikan bilis)という名前のカタクチイワシ科の小魚。大体カリッと揚げられているか、もしくは蒸されており、ナシルマの食感を形作る大切な要素となっています。塩っけがあり美味。

 

そして、バリエーションによっては次のようなおかずも添えられています。

 

ローストピーナッツ(kacang goreng asin)
 ほぼ定番と言ってもいいんですが、ついていないものもたまにあるピーナッツ。皮付きのピーナッツを揚げて塩をしたもので、ニンニクなどの風味がつけられていることも。小魚とミックスして添えられているのもよく見ます。

 

(telur)
 多くの場合は茹で卵ですが、店によっては目玉焼きやオムレツスタイルで出しているところもあります。茹で卵にはあらかじめ味付けされていることも。黄身のコクがサンバルの辛さと相性抜群です。

 

以上が伝統的なナシルマに付いていることが多いおかずたち!加えて、そこにさらにボリュームを出すために、次のようなおかずが添えられていることも多いです。

 

鶏肉(ayam)
 かなり定番に近いおかずである鶏肉。他の肉と比べると圧倒的にポピュラーです。揚げてフライドチキンにした「アヤムゴレン」スタイルか、スパイスなどを使って煮込んだカレー風のものが多いです。

 

牛肉(daging)
 鶏肉に次いで人気のある牛肉。ココナッツミルクとスパイスで煮込んだ「ビーフルンダン」の形にしてあることが一般的です。他の具材よりも手間がかかるため、屋台よりもレストランのナシルマでよく見かけます。私のお気に入りはこれ。

 

イカ(sotong)
 海鮮の中でもマレーシアでは特にポピュラーなイカ。ナシルマに添えられるときは、輪切りにしたイカをサンバルソースで煮込んだ「サンバルソトン」にしてあることが多いです。濃い目の味付けがご飯によく合う!

 

ザル貝(kerang)
 日本ではあまり名前の聞かないザル貝。寿司ネタとして知られるトリ貝の仲間です。これもサンバルソースで煮込んだ「サンバルクラン」がポピュラー。

 

ちなみに、ナシルマは昔ながらの店だとバナナの葉で包まれて出てくることが一般的。でも最近では普通にプラスチックの容器に入っていたり、新聞紙や紙などに包まれていたりと、バナナの葉ではない店も増えてきています。個人的には、バナナの葉で包まれている方がエンターテインメント性があって好きです。

ナシルマを食べよう!

以下はナシルマを食べられるレストランやカフェの一覧です。下の画像からリンクに飛べるので、興味のあるお店の情報をチェックして参考にしていただければ幸いです。

Village Park Restaurant
Village Park Restaurnt